プレゼント
街が寝静まった 静かな夜
高層ビルの窓からの明かりだけが
僕の部屋に伸びて行く
君からの メッセージカードが挟まれた
プレゼント
『メリークリスマス!!』 君の明るい声が
聞こえてきそうな ポップな文字で
そう書かれたメッセージカードを開き
僕は、涙する。.....
雫が、カードに垂れ インクが滲む
「当日までのお楽しみだよ!」そう言って
僕が聞いても 決して中身を教えてくれなかった君
クリスマスの日にプレゼント交換をしようねと 約束して お互いに渡すはずだった。
だけど そう言っていた君は、
今 僕の隣には、居ない
突然だった。車が君にぶつかり 君は
呆気無く 僕の前から姿を消した。
後に残ったのは、僕が君に贈るはずだった
プレゼントと 君が僕に贈ってくれた
プレゼントだ。
机には二つのプレゼントが並んで居る
僕のプレゼントは、君が デートの時
にお店のショーウィンドウで見つめていた
可愛い 小さな赤いハートが付いた
ネックレスだ。
君の方のプレゼントを僕は、丁寧に繊細に
扱う
壊れ物でも 入って居るんじゃないかって
位 怖々と......
中に入って居たのは....
ガラス瓶型の貯金箱だった
中身が透けていて 中に一万円札が一枚
入っていた。
そして小さなメモ用紙も...
『ずっと一緒に居る為の貯蓄
目指せ1000万
結婚資金を二人で貯めてゴールイン』
なんて サプライズ感を出したかったで
あろう文字が踊っていた。
僕は、思わず苦笑して
「君らしいなぁ・・・」と小さく呟く
そしてまた僕は、涙を零した。
この涙も 僕の君へのプレゼントも
全部 全部 君の居る天国に届けば
良いのにと思いながら......。
12/24/2023, 1:05:19 AM