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君を探して…



これは一昨日の夜のことである…


眠っていた私は、誰かが廊下を歩く足音で目を開けた。


姑様がトイレに行くのかな…


そんな感じの足音だった。


しかし足音は、トイレと反対の私の部屋の前へ…


そのまま部屋に入る様子に、思わず寝たふりをした。


足音は私の枕もとに止まった。


顔をのぞき込んでいる!?


今更寝たふりをやめるわけにいかない。


目を閉じたまま我慢する私。




数分が過ぎてだんだん心配になる…


もし、今、目を開けたとき


ナタを振り下ろすところだったらどうしよう?


無理だ!


イヤな想像しかできない。



と、次の瞬間


額に暖かい感触が…?


触られているわけではない。


例えれば、お日様が当たっているような温さ。




あれ?


気配が消えた感覚…



しかし私は目を開けることができなかった。


開けたら見てはいけないものを見てしまう…


そんな怖さがそうさせた。



朝になった。


私は生きていた。



あのとき、私の枕もとに来たのは誰だったのだろう…


今となってはもうわからない。

3/14/2025, 11:24:46 PM