星屑

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「この人がやったんだ!」
静かな教室に僕の声がこだました。
沈黙が続いたかと思うと。
ガラの悪いやつが机を蹴る。
「何言ってんだてめぇ!!」
「ヒィッ」
怯むな負けるものか。今日こそは言ってやる。
僕は震える拳を握り直して、キッと前を向いて言った。
「ぼ、僕は知っている。幸村くんが誰よりも朝早く来て、金魚に餌をやっていることを、みんなが寒さに凍えないように毎日ヒーターを焚いておいてくれていることを。たっ、確かに口が悪いかもしれない。誤解されやすいかもしれない。でも彼は彼なんだ。1面だけで彼を知った気になって悪口を言うのは辞めてくれ!」

、、、何あれ、イキっててださ

先程まで静かだった教室が嘘のように、みんなが僕に後ろ指を指す。
針のむしろとはこのようなことを言うのだろう。
、、、でもスッキリした。ようやく言ってやった。
後悔はない。
でも、やっぱり変えられないんだ、悔しいな。
俯いていると、後ろからおい、と声をかけられた。
恐る恐る、後ろを見ると、そこには幸村くんの姿があった。

「ありがとよ」
そう言うとガラの悪いヤツ元言い幸村くんは、少し照れくさそうに鼻をかいて笑った。


小さな勇気

1/27/2025, 3:02:43 PM