小絲さなこ

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「にんげんゆたんぽ」


「一緒の布団で寝ていい?いやいや、そういう意味じゃなくて」
「いや、どう考えてもそっちに取るだろ」


子供の頃の冬の寒い夜、きょうだいの布団に潜り込んで眠っていた。
妹よりも弟のほうが、あったかいから──と、小学校高学年くらいまで弟の布団に潜り込んでいたのだ。ちなみに断じてブラコンではない。


「……つまり、人間湯たんぽになれ、と?」
「まぁ、そうだね」
納得したような不服そうな顔をする彼。

「明日早いし。ねぇ、いいでしょ?」
「まぁ、いいけど……」


承諾を得たので、早速ぬくぬくさせてもらった。
アラームを設定するためスマホに手を伸ばす。どうやら雪が降り出したようだ。

「はー……これはいい湯たんぽだわ……」
「たしかに、あったかいな……」



────冬は一緒に

12/19/2024, 7:39:39 AM