結猫

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私には両親がいない。
今は、母方の祖母の家で暮らしている。
父とは会ったことはない。
母とは小学校低学年の時くらいまで一緒にいた。
母は仕事で朝から夜までいないのに休みの日はいつも私のために、どこかへ連れて行ってくれた。
母は日頃の無理がたたり、入院することになった。
少しの間だけ、退院できた時
『かれくんぼをしましょう。貴方が鬼ね。』
母はそう言った。
『お母さんは遠くに隠れるからね』
「どのくらい?」
『ずっと、ず〜〜っと、遠く』
「えぇ〜、そんなの見つけられないよ!!」
『すぐじゃなくていいの』
「え?じゃあいつ見つければいいの?」
『ん〜そうねぇ。貴方がおばあちゃんになって、楽しかった、幸せだったって思えて、すごく眠くなった時かしら』
「それまで会えないの?」
『うん、、、貴方が見つけてくれるまでお母さんはずっと隠れてるわ』
「じゃあ、やだ!!」
『ごめんね、その代わり貴方が私を見つけられたら
お菓子も一緒に作りましょう。アクセサリーも。
あとは、寝る前の読み聞かせ、一緒に夜更かししてアイスも食べちゃおっか。おままごとしたり、お出かけしたり、、、いっぱい、いっぱいいろんなことしよっか』
「うん!!いーち、にーぃ、さーん、、、、、、」
車の音がした。数え終わって後ろを向くと母はいなかった。
また会いましょう。私がお母さんを見つけるその時まで

11/13/2024, 11:00:59 AM