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「君と見た虹」


あの日、君と見た虹。
半分しか架かってなくて、でもそれが又儚げで綺麗で。
足りない半分を探し求めて、巡り会えた私と君みたいだと思った。
そして、二人で、ただ黙って見つめていたね。
その内に虹は消えてしまって。
でも、私と君はそのまま空を眺めながら、そっと手を繋いでた。

君とは感性が似ていたから、お互いに言葉にしなくても分かりあえる事が多くて、だから一緒に居ると落ち着けた。安らげた。
こんなに合う人が居るなんて、想像出来ない位、合う人だった。

でも、お互いにそれに甘え過ぎて。
いくら似てても、分かり合えていても。
同じ人間ではないから、完全に分かりあえる訳はなく。
「言わなくても分かるでしょ?」「君は分かってくれてると思ってた」それらは、全部お互いの甘えだった。

そして、あんなに寄り添えていた気持ちが一度離れると、全てが徐々に噛み合わなくなり。
どんどん分かりあえなくなり。

今となってはもう遠い過去の話で、その時の後悔や反省を胸に、同じ失敗をしない様に生きてきた。
君との失敗は、ちゃんと私の中で生かされてる。
そして、今でも虹を見ると共に思い出す。
君と見た、あの日の半分の虹を。あの時の気持ちを。
苦い思いも、切ない思いも。
あの時の気持ちを思い出しながら、君を思い出しながら。

2/22/2025, 1:24:34 PM