やぎ

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「もう冬だね〜」
「そうですね」

落ち葉の上を二人、音を立てて歩いて行く。

「あ!落ち葉が山になってる!」
「すごい量、誰かが集めてくれたんですね」
「ねぇねぇ、ちょっと突っ込んでみようよ」
「え、嫌ですけど」
「迷いねぇな!?犬は喜んで突っ込んでいくってのに!」
「だって犬じゃないですし、行きたいなら一人でどうぞ」
「ぐぬぬ、でも突っ込みたい衝動抑えられない!」

うりゃ!と落ち葉の山に突っ込んだ。
すっぽりと中へ納まって彼女の姿が見えなくなる

(・・・・・・出てこない)

「あの、大丈夫ですか?」
「隙あり!!」
「!!」

腕引っ張られ引摺り込まれる。

「ぶはっ!・・・何するんですか!」
「ははは!隙をみせたそっちが悪い!」
「もう・・・・・・あ」
「?」
「頭、虫」
「〜〜〜〜〜〜っ!?!」

大慌てで頭をはらう、服の中に葉が入ったのか身体をクネクネさせて「とってぇ〜」と懇願する姿が面白くてつい笑ってしまった。

そうやっていつもアナタはわたしに笑顔をくれる。
きっと今日も、私を元気づけるためにあんなことをしたんだろうな・・・
そんなアナタが大好きで、いつもわたしは許してしまう。

2/19/2023, 3:54:16 PM