窓を締め切った。エアコンは消した。戸締りも済ませた。
静寂に包まれた小さなワンルームで、私は今日も眠りにつく。
聞こえてくるのは私の吐息と、私が動いたときにだけ鳴る布の擦れる音だけだ。
私から発せられたその微かな振動は、音となって空気を伝い、私の鼓膜に帰ってくる。
寝る前の時間がこんなにも心地よいのは、この小さな部屋の全てが私だけの周波数で動いているからかもしれない。
目を閉じてじっと耳を澄ませば、部屋全体が私に揺さぶられ、その振動にまた私が揺られて、深い海の底を揺蕩うように、ゆっくりとベッドに沈んでいった。
「静寂に包まれた部屋」
9/29/2024, 10:44:41 AM