水月凜大(みなつきりお)

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『キズナ』

偶然や、必然の出会いから
お互いの心を織り重ねてゆく

外から見えない糸もあれば、鮮やかに映る糸もある
相手の糸に、しっかりと結びついている糸もあれば、
そっと寄り添うようにして織られた糸もある

柔らかくて肌触りの良い織物もあれば、
固くて、強くしっかりとした織物もある

どんな織物に仕上がるかは、きっと予想できない


織り上がった生地に、どんな眼差しを向けるのかも
お互いに、また違うかもしれない

柔らかいがゆえに、脆く儚いと感じる人もいるだろう
固いがゆえに、皺になりやすいと感じる人もいるかもしれない


お互いがおもいおもいに、重ねてきた想いたち。
芸術作品のように、もしかしたら、完成はなくて
ずっと、織り続けていく、そんな性格もあるかもしれない

その途中で、目に映る織物たちに、製作者たちは、
きっと、
子供の砂場の作品のように
それぞれがおもいおもいに、題名を付けるだろう


お互いの題名が重なる時もあれば、
全く異なる名をつけることもあるだろう

その違いに、ときに傷つき、
さみしい思いを抱くこともあるかもしれない

しかし、その終わりなき作品は、
世界に、そう、たった一つ
二つとはない、大切な大切なものなんだ。


その本当の輝きに、気づいたとき
その織物は、ある意味で、
一つの完成を迎えるのかもしれない。

11/11/2022, 3:03:56 AM