ぱたぱたと打ち付ける雨、ポップコーンが弾ける様。縫い付けられたみたいな瞼を剥がして彩度の落ちた部屋を見ゆる。じとじとぺたぺた濁った音の二重奏。世界にはひとりとふたつ。耳をすまして、ぼんやりと。/ 目が覚めると水音の心地良さに微睡むなかで瞼を持ち上げた。何者も纏わない足が床に接地し音を立てる。こそばゆい、しかしそれで季節を感じた。誰かの生きた音が、耳の奥にこだまする。
7/10/2024, 3:15:16 PM