hashiba

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「明日は大事な用があるから」などと言って彼は大盛りのカツ丼をとても美味しそうに掻き込んでいる。験担ぎといえばそうなのだろうが、ただ単に食べたいだけにしか見えなかった。しかし、腹が減っては何とやら。図らずしも成就に最も近い道を採っている。勝利の神がもしいるとすれば、今頃きっと苦笑いだろう。その強さに少しだけあやかるような気持ちで、自分も運ばれてきた膳に手を合わせる。食べて生きていなければ、神にもできることがない。


(題:神様へ)

4/15/2024, 1:16:47 AM