私は、10歳の女の子。ラプっていうんだ。きょうは、【想い出】の話をするね。
ママの友達に会いに行くと、ママたちはよく、「こんな事あったよね」「あんな事したね」って、しゃべってる。
思い出話をしてるみたい。でもね、私はまだ、10年しか生きていないの。10年って長いのかもしれないけど、ママたちに比べたら、全然短い気がする。それに、そのうちの1、2年は、物心もついていないでしょ?それで、私の思い出ってそんなにあるのかな?沢山あるのかな?って思ったんだ。だから私の思い出を、ママに聞いてみることにしたんだ。
ラプ「私の想い出って何がある?何個ある?」
ママ「思い出⁇」
ラプ「そう。私の10年の人生で、どんなことがあった
かってこと」
ママ「思い出ねぇ…色々あったわよ。それに、ラプは
10年しか生きてないって思ってるかもしれない
けど、この10年が、1番新しいことが多くできて
るんじゃないかしら?」
ラプ「そっか…」
ママ「まず、生まれてからハイハイができるようにな
って…」
ラプ「そういうことじゃなくて!想い出だよ。ママた
がみんなで話してるような」
ママ「そうねぇ…まず、幼稚園で友達ができてから、
初めてみんなでアスレチック行ったのは覚えて
る?
ラプ「覚えてるよ。そういう想い出を沢山話してほし
いんだ!あるだけね」
ママ「そのあと、みんなでリラと、ラリーと、ラプの
バースデーパーティーをやったわ。あなたたち
仲良し3人組は、みんな誕生日が6月5日、6月6日
、6月7日って続いていたのよね。小学校に入
って、別れてしまったけれど。それから、み
んなで初めてのお泊まり会をやって…」
___中略___
こんな感じで、聞いた結果、私の想い出は思ってたよりは多かった。でも、やっぱママたちよりは少ないんだ。まぁそりゃ、生きてる期間が断然短いんだから、しょうがないよね。
明日から学校!もっともっと想い出を増やしたいし、友だちにも想い出のこと聞いて、ママたちよりも想い出が少ないのは私だけなのか、それとも、私がみんなより多いのか、ふつうなのか。そう考えると、明日、学校に行くのがワクワクした。
___次の日___
ラプ「おっはよ〜」
ウク「あっ、ラプおはよ!今日は早いね〜」
ラプ「うん、なんか早く行きたくなっちゃって」
ウク「そっか〜あっ、レレがきたよ!」
ラプ「ほんとだ!これで私たち全員そろったね」
私たちこの3人は、毎日仲良くしてるんだ〜
ラプ「ねー」
ウク、レレ「ん?どうしたの?」
ラプ「みんな想い出って沢山ある?」
レレ「うーん…」
ウク「そうね、あるにはあるけど、ママたちほど沢山
ではないの」
レレ「ママたちが集まると、よく想い出話してる気が
する〜」
ラプ「やっぱそうだよね」
ウク「ウチも、この前ママに聞いたんだけどね、思っ
てたよりは多いけどやっぱり…」
レレ「私はね〜幼稚園の頃、引っ越しばっかしてたか
ら、幼稚園のときは、あんま想い出ないかも」
ラプ「私、友だちつくるのに時間かかってるから、入
園とか入学したてのころはあんま想い出ない」
ウク「わかる〜」
先生「席についてくださいー」
ラプ「あっ、授業始まる!また中休みね」
___中休み___
中休みに、また話をしたんだ。校庭で鉄棒しながらだけどね。
レレ「想い出って友だちいっぱいのほうが多くできん
のかなぁ」
ウク「うーん…」
ラプ「でも、使える時間は同じだからねぇ」
ウク「わかんないけど、いくらいっぱいいても、ちょ
びっとずつ仲良いとかだったらあんまりかも」
レレ「そうみると、私たちすごく沢山の想い出作れる
くない?
ラプ「ほんと、そんな気がする」
ウク「私は明るい、レレは天然、ラプはしっかりもの
で甘えんぼ。ってこんなに性格違うのに、こん
に気があってるもんね」
レレ「私たち、友達になってから、どのくらい想い出
つくったかなぁ」
ラプ「すごく沢山だと思うけどね」
ウク「うん。でも具体的な数字はわかんない」
ラプ「じゃあさ、こんなカード作んない?」
私は、教室に戻って、2人にこんなカードを紹介したんだ。
まず、真ん中にメインとなる言葉を書いて、そのまわりにみんなからのメッセージや、イラストを描いたりして、グループのシンボルにする。すると、2人はすぐに賛成してくれた。
レレ「良さそう!」
ウク「みんなの友情も明確になるしね」
ラプ「じゃあ、放課後私の家で遊ばない?そのときに
これ作るの」
ウク「よし!じゃあ決まりね。3時に、ラプの家の前で
集合だよ!」
レレ「ワクワクしてきた〜」
___放課後___
ラプ「今日、私の家で、3時からみんなと遊ぶね」
ママ「いいわよ」
その後、私たちはカードを作り出した。
レレ「ねぇ、イラストとかを少なめにして、想い出が
できたら周りに書いてくのはどう?」
ウク「いいんじゃない?」
ラプ「どんな想い出作れたかわかるしね」
レレ「このことも想い出として、ここに書こうよ!」
ラプ、ウク「賛成ー!」
30分後、私たちはカードを作り終わってみんなでおやつを食べていた。
レレ「想い出カード、満タンになるといいね」
ウク「ほんとそう思う」
ラプ「満タンになったら、裏にも書こうか」
レレ「何枚でも作ろう!」
ウク「何枚できると思う?目標立てようよ!」
ラプ「30枚!」
ウク「50枚!」
レレ「100枚!」
ラプ「何枚でもいいからできるだけ多く作りたいね」
ウク「まずは、ママたちに旅行に連れてかせてもらわ
ないと!」
レレ「そうだね」
そのあと、私たちは、沢山遊んで沢山笑った。これで、想い出カードの想い出が1個増えたんだ。そろそろ楽しい時間も終わりに近づいたとき。
ウク「カードはアイディアを出したラプに預けるね」
レレ「なくさないでね」
そういって、みんなでバイバイをした。
その夜、わたしは、想い出が沢山作れるといいなと心からお月さまに願った。
11/19/2024, 11:08:47 AM