夏の雨

Open App

タンッと足音を踏み思いっきり飛び、会場に入ると何処からか悲鳴が聞こえた。はぁ…うるさ。
「っ?!お前は……!」
何者かが俺を見ると顔色をかえ、近くにあった包丁を俺に突きつけた。
「…………」
「おい!!!何する気だ!」
「なんにもしてないっすよ」
「嘘だ!お前は人殺しだと噂になってるぞ!」
「でもなにもしてない他人に包丁を突きつける方がやばくないすか?」
「人殺しは悪だ。それなら先に殺した方がいいだろ?」
「誰が善悪なんて決めたんですか?」
「っ……そう言って俺の気を紛らわそうとしてるんだろ!!」
「別に気になっただけですよ」
「悪者の言うことなんて信じられるか!」
そう叫ぶと思いっきり包丁を上げ、振り下ろす。
でも少し震えていたせいか簡単に避けられる程のスピードだ。避けられて青ざめている男に俺は問う。
「なんで善悪なんて決めつけるのでしょう?貴方はなんでそれが合っていると思っているのですか?人殺しは悪いんですか?」
「人殺しが、いたら…みんな生けていけない、だろ…」
「でもこの世は弱肉強食です。強いものが生き残って当然ではないですか?」
「っ………で、も…ころさないで、くれ…」
嗚呼、人はいつかは死ぬのに。何をそんなに怯えているのだろう。
「俺が納得するような答えが出たら見逃してあげますよ。」
「…………分からない。」
「そう。じゃあ死んで下さい。」
俺は銃口を男に向けると、傍観者は皆悲鳴を上げる。傍観者は悲鳴しかあげられないのか…?
男は銃口を見た瞬間青ざめた顔をいっそう青ざめて泣きはじめた。
「やッめて、下さ、い…」と必死に命乞いしている姿は惨めで醜い。
「…さようなら。」カチャッ
バンッ!!!!!!と大きな音がなり、男は倒れた。
「……ねぇ、傍観者。」
傍観者達も必死に助かろうと逃げようとする。
「無理だよ。締めといたから。じゃあ、誰か…」


さっきの男の回答をかわりにしてくれたら見逃して上げる。勿論、俺が納得するような…ね。

#善悪
高熱が出て寝込んでました…。まだ具合は悪いです。なんとか書き上げたんで載せときます。

4/26/2023, 11:19:13 PM