哀しみにも色がある。例えば雨の日の匂い。小学校の帰り道で、その日の嫌なことを思い出しながら傘にあたる雨音に耳を傾けた。そして夜の静けさ。イルミネーションの光に照らされる自分がいつも通り無表情であるにも関わらず、心の中は遠い昔を思い出す虚しさにあふれていた。前向きな感情だけに目を向けていたら、知らなかった色がある。どれも虚ろで美しかった。哀しみも、いつかは笑い話になるだろうから。色とりどり.
1/8/2024, 11:43:30 AM