ストック1

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夢っていうのは、一期一会だ
一度覚めてしまったら、再び見ることはできない
その先なんてものも見られないし、そもそも夢の内容を忘れてしまうことのほうが圧倒的に多いだろう
俺の夢もそうだ
現実に引き戻されたら、もうその夢はお終いなんだ
しばらくは覚めた夢を思って辛くなるだろうが、いつかは忘れられる
そんな風に考えていた
今思えば、俺は疲れ果てていたんだろう
未練を感じながらも、夢を見つづける苦痛が、叶えたいという思いを上回ったんだ
だが、そんな中で、あいつは俺をまた夢の中へ引き込んでくれた
あいつが俺に力を貸すと言った時、同じ夢を見ても、またその夢から覚めてしまうかもしれないことが恐くて、拒否してしまった
それでも、あいつは俺のため、奔走してくれた
友人として、助けになりたいと
その姿を見て、俺もまだまだ頑張れるんじゃないかと、そう思えたんだ
俺はあいつのおかげで、一度は諦めたあの夢のつづきを見ることができた
いや、まだ見つづけているんだろうな
叶ってもなお見つづけられる、楽しい夢
俺は、あいつのおかげでそんな素晴らしいものに出会うことができた
もし、あいつが覚めたくない夢から覚めそうになったとしたら、今度は俺が全力で夢に引き込もう
厳しい現実に叩き起こされたとしても、その現実の中で白昼夢を見せてやる
俺があいつから、そうしてもらったように

1/12/2025, 10:42:41 AM