下屋

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「雨と君」

傘もなく 立ち尽くす
こうしていると 思い出す

私はひとり 眺めてた
あなたがひとり 軒先で
不安げに 空を見ていた日

どんより重い 鈍色の
空からしっとり 降り注ぐ
休む間もなく 落ちてくる
小さな小さな 雨粒を

しばらく待っても 変わりなく
雨は延々 降り続け
あなたは決心 したらしく
大いなる一歩を 駆け出した
その背はやがて 消えてゆく

あの日のことを 思い出す

9/7/2025, 10:54:07 AM