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僕たちは、その人を星の先生と、呼んでいました。

長野の中学の理科の先生で、専門は、天文学だと言ってました。

僕の行きつけの居酒屋に初めて来た日、50円足りなくて、家に取りに帰り、その時、店の大将に気に入られたみたいで、居酒屋のアイドルみたいになってました。

店の常連たちは、先生をいろんな所に連れていきました。例えば祇園とかの京都の有名どころです。

一年くらい京都で、研修すると言ってました。もちろん天文学ですの。

僕は、当時山の中の蕎麦屋で、働いていたのですが夏休みに長野から、奥さん呼んで来てくれました。

奥さんは、明るく気さくな先生に比べて、不安げで、心細そうでした。が、僕には、笑顔見せてくれてました。

やがて、一年が過ぎ、焼肉屋で送別会を開きました。先生は、自宅の天文台で、撮ったと言う、アンドロメダ青雲の写真を全員にプレゼントしました。

僕は、先生に一億年後に、アンドロメダ出会いましょうと、言いました。その言葉は、先生をいたく刺激したみたいで、良いねぇ、と、言ってくれました。

それは、春のことで、その夏僕たちは、先生に長野に招待されました。

森の中で過ごしたり、美味しいそば食べたり、先生自慢の自宅の天文台見せて貰ったり、楽しい3日間を満足しました。

もう何十年も前のことですけど、先生の奥さん長野に行った時、いはったかなと?
存在が、薄かったです。その代わり、先生のお父さんのかしこまった顔の雰囲気をいたく覚えています。

お互い楽しい時間を過ごし別れた後、何年かしてから、居酒屋の外で、先生は泣いてたそうです。
居酒屋の女将さんが先生を招き入れ事情を聞いたところ、奥さんと離婚したそうで、まだ幸せだった、京都での生活を懐かしみ訪ねて来たら、懐かしさが、込み上げて涙を流したそうです。

僕は、先生には、会えなかったのですが、みんなのこと心配してたそうです。

それからの決して幸せとは、言えなかった僕の人生、その後音沙汰の無い先生の人生、目には見えない重力とかの影響ってきっとあるんだろうなと、思っています。


もしかしたら、抗うことの出来ない力きもしれないけど、精一杯、生きていきます。僕は、もっと幸せになりたいです。

そうすれば、一億年後に、先生にきっと会えるだろうと確信しています。

3/16/2023, 4:46:21 AM