「冬の足音」
背後から私の体温を奪って逃げていく冷たい北風。気がつけばもう12月だった。冬の足音はいつも近づかないと聞こえなくて、聞こえ始めたと思ったらもう既に一歩後ろの方まで迫っている。やっと訪れた嬉しさを感じている間にいつの間にか隣に並んでいて、その楽しさを噛み締める間もなくどんどん私を置いて前へと行ってしまう。遠ざかっていく冬の足音を聞きながら、桜の香りと共にやって来る春の足音。こうして季節は巡ってゆく。
でもやっぱり、冬にはもうそこし長く隣を歩いてほしいんだけどなぁ。
12/3/2025, 1:35:49 PM