「待って!」離れていく君に、そう、声をかける。君は、悲しそうに微笑んでいた。「……ダメだよ」告げた言葉はそんなもの。けれどそれが確かな拒絶だと。僕は確かに気づいてしまった。「……ごめんなさい」君はそう告げ去っていく。夏風と共にやってきた君は、春風と共に去っていった。「……」彼女の決意が、その意思が。確かに強いものだと。きっと、僕だけが知っていた。
3/30/2025, 11:22:27 AM