確かに俺はものを知らないよ? 君の方がずっとずっとずーーーぅと色んなことを知ってるし、優しく教えてくれるのもうれしーし…。
でも俺だって教えてあげられることいっぱいあるんだから、だから…困ってる時は俺にも頼って欲しいんだ。いつもと逆さまだなって笑って良いから…ねぇ。
「…なんでおまえが泣くんだよ」
君の背中に張り付いて、顔なんか見せてないのに君は俺が泣いてることすぐに気づいて、そういうところも好きだって思う。
好きだって…思う。
「逆さま…だなんて思わない。君の強さと優しさは、ものを知ってる知らないなんてそんなことを超越してんだよ。俺はいつだって、そんなおまえに救われてるんだ…」
そう優しく言って君は、肩に縋った俺の手をポンポンと叩いた。
君の言っていることは難しくてわからないところもあったけど、だけど君も俺のこと頼りにしてくれてるんだってことは
ちゃんとわかった。ううん、俺だってもちろん、ちゃんとわかってた。
俺たちはただそうやって、何も言わずに互いに体温を感じ続けたんだ……。
▼逆さま
12/6/2023, 12:54:17 PM