-いと-

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私は電車で高校に通っている。普段は1人で電車に乗るが、今日は久々に友人と帰ることになった。その友人は部活に所属しているので、私と帰る時間帯が違う。しかし、テストの期間や部活動の大会翌日などは、今日のように同じ時間帯に帰ることがある。
駅に着くまでの間、私たちは色々なことを話した。テスト範囲が広すぎる、部活の調子はどう?、などの何気ない会話。いつも通りの下校…だとこの時は思っていた。
駅に着き、鞄の中を少し片付けた。
「久しぶりに一緒に帰れたし、写真撮らない?」
私は賛成だったので、友人の後ろに立った。自撮りをするのだろうと思ったからだ。しかし突然、腹部に衝撃が…。押される力が強すぎて、その場に立っていられない。駅構内にアナウンスが…。電車が来る…。どうにもできない…。
「…ごめんね、笑」
友人の声が聞こえた気がする。

※フィクション
【お題:「ごめんね」】

5/30/2024, 10:00:22 AM