→狭いながらも楽しい我が家
毎年今の時期になると、オーストラリアのメルボルンにある、とあるビルの上階の外壁の張り出し部分にハヤブサが営巣する。都会のハヤブサ。
彼らの子育ての様子が、約3ヶ月ほどYouTubeでライブ配信される。カメラは固定されたものなので、彼らのありのままの様子を観ることができる。
カップルだった2匹に卵が産まれて親鳥になり、その卵が孵って雛が産まれる。今年は3つの卵が孵化した。
親鳥はせっせと餌を運び、雛たちはソレをついばむ。しかしまぁ、そこは猛禽類なので、ピヨピヨちゃんでも肉の塊にかぶりついているので、可愛さとグロテスクさの入り乱れた画面となる。なかなか「オゥ……」な弱肉強食社会。生きるって過酷で、生きてるって素晴らしいと思わせてくれる。
幼い毛玉たちは、あっという間に大きくなってゆく。ポワポワ綿羽で親鳥のお腹に守られていた日々などあっという間に終えて、動き回り始める。ヨチヨチ時代は、動いてその場で力尽き、親鳥にピックアップされる。親鳥の尖ったくちばしで雛の首元を咥えるので、観ているこちらはヒヤヒヤだ。
今ではすっかり大きくなって、雛たちは張り出し部分を動き回る。右へ左へ。3匹はだいたい固まって動くので、もつれて、踏み合って、乗り越えてと大騒動になることもある。
これからはさらに成長して、羽根を広げるようにもなってゆく。飛ぶ練習が始まると、さらに蹴ったり蹴られたり、踏まれたり、羽根にあおられたりのワチャワチャ感が高まってゆく。
親鳥は一段高い場所で見守ることもあるし、餌を持って帰って大きくなった雛たちに揉みくちゃにされることもある。
まさに狭いながらも楽しい我が家。
ビルの上階は、きっと風が強かろう。都会暮らしのハヤブサ一家は、強い風に羽根を揺らして今日も元気に暮らしている。
テーマ; 揺れる羽根
10/26/2025, 12:14:41 AM