夏子

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私が実家を出たのは高校卒業の年…
就職して全寮制の厳しい寮生活が始まった
当時、自立心の強い私は両親と離れる事にさほど抵抗はなかったが10歳から毎夜、
一緒の布団で就寝していた愛猫は特別な
存在でかなり後ろ髪を引かれた…
「君と最後にあった日」をあえて人では
なく愛猫にしたのには理由がある…
私が家を出る3ヶ月前に兄夫婦に子供が
生まれていた…
甥は可愛かったが猫も大事だった…
当たり前だ…甥より10年も先に居たのだから…
けれど、大事にしていた私が家を出たと
同時に黙って親戚の叔母宅に引き渡された…
私が激怒するのはわかっていたから
その真実は上手く隠されてしまった…
理由はこうだ…赤ちゃんが大事だった。
ずいぶん時間が経ち、猫は行った直後に
叔母宅から姿を消したと聞かされた…
野良猫になったのか…
「捨てられた…」そう思ったに違いない
消息不明で数十年が過ぎたが、私を見送る最後の寂しそうな姿が忘れられない…
真実を知った時、私はどんな事があっても
動物は一生責任をもち育てると強く誓い
今も決してその気持ちは変わらない…

6/26/2024, 9:22:01 PM