たくちー

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[第1章: 夢想歌。願う未来へと繋がる不確定な未来]

 君の歌は封印された古代の兵器を動かす鍵だった。だから王国中枢の部屋に閉じ込められていた。そんな君が可哀想で外の世界を見せてあげたくて、こっそり部屋から連れ出した。君の歌は次期国王を決める争いの中で未来への恐怖に怯えた足枷を外す勇気をくれた。それなのに、君のこと守ってあげれなかった。
 君がいなくなって数日後、光の粒子が遥か彼方の大陸から山を削りながら放たれた。目の前が光に包まれる瞬間、君の泣きそうな笑顔が見えた気がした。巨大なクレーターが出来上がり、一つの大国が消滅した。

君が紡いだ歌を忘れない。



題『君が紡ぐ歌』

10/19/2025, 7:19:17 PM