広いつばが太陽から僕を隠し、頭に沿ってクルクルと円を描いて作った層が僕の熱を逃していく。
暑い陽射しを避けながら、向かうはまだ見ぬ新天地。
そうはさせるかと言わんばかりに、突然ぶわりと大きな突風が、僕の相棒を大空へと羽ばたかせようと息を巻いた。
そんなものに負けるかと、僕は相棒を握りしめ、逆風に向かって歩み進める。
手から伝わるごわごわとした感触が、今日もまた新しい出会いがあるのではと囁いて、僕の心をワクワクさせる。
今年もよろしくな、相棒。
この夏の記録に残す、こいつとの冒険はまだ始まったばかりだ───。
─────【麦わら帽子】
8/11/2024, 9:04:29 PM