さよならを言う前に、私の心を渡そうか。醜く育ったこの心を、あなたに投げつけてから行ってしまいたい。愛している、信じている。そんな話をさせてくれ。伝えず去っていくには随分と大きすぎる。あなたはそれを受け取るだけ受け取ればいい、そして迷わず捨ててくれ。踏みつけて、再起不能になるまで砕いて、粉々になるまで壊しきって、そしてそれをどうにか私に見せてくれ。私はそれに、歪な笑みを一度浮かべよう。きっととてもたくさん渡しているから、持っているものが随分と少なくなって、私の大部分がそこで終わるだろう。色々と抜け去って、今までの私が戻ってこないようになって、過去の面影がないほどまでに変わったら、やっと私は手の届かなくなるあなたを諦められる。そうに違いないのだろう。
8/20/2021, 11:55:12 PM