1日1小説 未来の記憶
「未来の記憶が見れる、知れるってなったら、いつの未来がみたい?」
そんなことを聞く君は、心無しかワクワクした顔をしていた。
未来かあ。
「いつのを見ようかなあ。」
考える振りをして、ぼーっと空を眺める。その間君は楽しそうに、もし見えるなら、知れるならってずっと楽しそうに話してる。
「きっと未来の僕はさ、そうだな、ディズニーに行けるのかなとか、あの大きなパフェ食べてるのかなとか、僕の隣には誰がいるのかなとか、君は笑顔なのかなとかさ、色々みたいなあ。」
君の未来は決まっている。夢見るだけタダだよな。笑顔でずっと、アレできるかなとか、こんなことしてるかなと語っているキミの超えがどんどん沈んでいくのがわかってハッとする。
「君の隣にいるのはさ、僕が良かったなあ。
10年後も、20年後も、」
泣きそうな顔でそういう君。君の、彼の未来は決まっていて、もう何十年も生きられない。生きられてせいぜい、あと一週間と余命宣告されていた。
「私の隣にいるのは、ずっとあなただよ。
私のとなりは、あなただけ。誰ももう来ないよ。」
それはまるで呪いの言葉。私たちの、呪いの言葉。
2/12/2025, 2:11:26 PM