春ノ花/Nobana

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見つめられると

自分で自分を認めることは難しい

僕はカフェでカプチーノを注文する。
中を覗き込むと、黄土色の縁に白いキャンバスがあるように見える。
それは、イラストレーターをしている僕の癖だろう。
僕は意欲を抑えきれなかった。
バッグから紙とペンを取り出し、今思い浮かんだ構想を書き出す。
まずは、キャンバス部分を描く。
カプチーノ入りのマグカップのことだ。
そして、縁を描き始める。
カフェの一角でカプチーノの中身を覗き込む僕のことだ。

描き上がった絵を手に持ち、眺める。
すると、「お上手ですね」とカフェの店員さんが声をかけてくれた。
僕は少し恥ずかしさを覚えながらも答える。
「ありがとうございます、自画像は初めてなんですよ。」

3/29/2026, 3:17:50 AM