自然と意識が浮上して、そっと目を開ける。恋人が分厚いカーテンを引いた室内は暗く、外の時間を悟らせないが、長年の習慣からいつも同じくらいの時間に目が覚めるようになっている。
身を起こしても傍らの恋人はまだ眠っていて、それもいつものことだ。ジェレミアより三つ程歳下の男の寝顔は存外あどけないもので。初めのうちはジェレミアが目覚めると彼も目を覚ましていたが。いつの間にかこうして寝顔を拝めるようになった。彼は幾分夜行性らしく、自然に起き出してくるのはジェレミアよりも少し遅い。
彼とこうして並んで眠る日が来るとは、以前の私には想像も付かなかったことだろう。身体を重ねるようになったことよりも、2人の関係に『恋人』という名前が付いたことよりも、それが一番不思議だった。
12/26/2023, 2:56:31 PM