延々と宙に点在している、瞬く星は私たちに夢を与えてくれた。
遠い宇宙でも星が今でも輝いて暗い宇宙の中で懸命に光っているのだと私たちは信じてやまなかった。
――地球が滅ぶまであと一時間を切った。
あれほど私たちに希望を与えてくれた星たちはもう宙にひとつも見当たらない。
数週間前、宙には今にも零れ落ちて来そうなほどの多くの星が溢れる程にあって、それぞれに強い光を放って燃え尽きるようにして輝いていた。
星たちは数日間、夜に煌めき続け、少しずつ数が減るようにして消えていった。
私たちの宙に永遠にあると思っていた星たちは突如としてその生命を終えた。
何億光年と光り続ける星たちにも寿命がある。
その事実があることを私たちは見ぬふりをして、自分たちの領分である星も生き続けると信じてやまなかった。
そして、今、寿命を終える星の中で、あの燃え盛るように輝いた星のように人々は自分の生きた証と人生の最後の輝きを出せるようもがき始めた。
星たちのように美しく最期を迎え、どこかの惑星にその輝きが届くようにと。
―――滅亡前の煌めき
お題【星が溢れる】
3/15/2024, 3:37:09 PM