白浅凪エツ

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【好きじゃないのに】
「えへへ」
 スカートから露わになっている私の腿を、彼女の髪がくすぐる。
 彼女は、ベンチで本を読んでいた私の前に現れると、突然横になったのだ。私の腿を枕にして。
「一体なんのつもり?」
 訝しむ私を見上げる彼女の瞳は何よりも透き通って見えた。
 ああ、どうして私は、好きじゃないのに、いつもこの瞳に吸い込まれてしまうのだろう。
「☓☓ちゃんの目、綺麗だなって」
 深淵をのぞく時深淵もまたこちらをのぞいているのだ、と聞いたことがある。
 彼女の瞳が、深淵そのものだったようだ。

3/25/2026, 1:21:24 PM