副作用 (ミュート推 ⚠13ℓ )

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『はぁ〜ぁ、今年も終わりかぁ、』
そう言ってjはオレの膝の上に寝転んできた。
「オレの膝の上で寝るな、そもそも何故オレの部屋にいる?!」
オレはjの耳を強く引っ張り、jをどかそうとする。
『うぉ、ちょ、h、痛い痛い痛い』
笑いながらjは言ったが、頭をどかそうという気は無いようだった。数秒見つめ合い、最終的にはオレが折れた。
「どうせお前の予知ではこうだったんだろう?」
諦めつつオレが言うと、
『まあね、まさか耳を思いっきり引っ張られるとは思わなかったけど、』
にこにこしながら言う彼を見て、もう少し強く引っ張れば未来は変わっていたかもしれないと思い少しでも手加減した自分に嫌気がさした。
『ん〜、まぁでもhがここまでおれに心を許してくれるようになるなんてな〜』
言われて、オレは目を見開いた。冗談を言うのも大概にしてほしい。オレはjに心を許した覚えはない。
「ちが…」
『違うって言いたいんでしょ、』
jの言葉に驚きつつもオレは頷く。
『はは、やっぱり?…でもhは大分おれに懐いてくれてると思うけどなぁ』
不服だ、何をもってそういう風に傲慢な思いをもつようになったのだろうか。
『だって、』
jはそう言って手を伸ばし、オレに触れようとする。オレは反射的に目を瞑ったが、jの手がやわらかくオレの髪の毛に触れたところで恐る恐る目を開けると、目の前には満面の笑みをしたjがいた。
『…だって、触れさせてくれるようになったし。』
普段より優しい声に顔が熱くなるのを感じながらオレは反論した。
「っ、お、オレは嫌だと思っている!!それでもベタベタ触ってくるのはお前だろう?!」
『可愛いよ、』
「?!?!!」
この男には、恥というものはないのだろうか。第一、きちんと話を聞こうという気がさらさらない。こういうところがいけ好かないと常々思っている。
『こういうことも言わせてくれるようになったし、ね』
どんどん体が熱くなるオレを見てjは笑って起き上がった。
『1年前じゃ殺されてたな〜、こんなことしたら』
「い、今でもそのつもりだ!!」
『そんな顔してるのに?』
オレは言葉に詰まる。体にたまっていく熱に下がれ、下がれと念じるも効果は無いようだった。
『来年はどんな顔してくれるのかな、楽しみだね』
そのあまりにも真っ直ぐすぎる眼差しに、オレは何も言えなくなっていた。
大晦日の穏やかな風が吹き抜けていった。

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1年間を振り返る

J × H
(視点 : 右)

12/31/2024, 6:48:09 AM