見下ろす後頭部、しなやかな背、健やかな肌を伝う汗
魔が差してしまうのも無理はない
注がれた陽光に甘えて勝手に踊る木漏れ日のように
散歩の気分で悪心は訪れる
それは誰の内にも在る、人たらしめる証
どうか私を責めないで
同じ強さで抱き返して
受け入れたのはあなた、だから最後まで、最期まで
こんな時だけ聡いあなた
鈴鳴る声で私を裁く、曇る瞳は罪でしょう
暴くなら最奥まで、骨の髄まで開いて映して記憶して
きっと私を忘れないで
珍しく悪戯心なんぞに酔い痴れた私の顔を
百年先でも描いて見せて
太い眉、白い歯、全て飲み込むような黒曜石の瞳
私もずっと覚えているから
百年と一日先も、同じ熱を返して欲しい
囚われた悪夢でも、閉ざされた幻想でも
どうあってもあなたと永遠に結ばれたいと願う
甘やかに照り付ける光を失おうとも
星を飾ることすら忘れた夜空の下で、あなたと二人
螺旋の底へ旅したい
坩堝の底で溶けて行きたい
色違いの絆を繋いで、深く深く、静かなところへ
眠る前に同じ言葉を交わしてね
私も必ず応えるから
(靴紐)
9/17/2025, 10:43:16 AM