「それは独占欲にも似て」
その始まりは、君がテレビに映るアイドルをポーッとした表情で見ていた時。
ふうん。こういう男がいいのか。
そう思った。
次は学校の先生。
その次は部活の先輩。
意外と惚れっぽいところがある君だけど、見る目はないみたいで、実らない恋を重ねていった。
その度に胸を撫で下ろしていた男がいたことを君はきっと気づいていない。
どんな風に君は好きな人と歩くのだろう。
幼馴染でまるで家族のように気のおけない俺と会う時とは違う髪や服で。
もしかしたら、話し方も違うかも。
どんな風に君は好きな人と……その先を知りたくなくて、知りたくて。
それより先に言うことがあるのに、言えないまま。
────もっと知りたい
3/12/2024, 2:11:37 PM