窓の外にあるものを、やけに熱心に見つめている。
そういえば、今日は月が綺麗に見える日だったか。
朝のニュースを思い出しながら、声をかけた。
「あれから一年なんだねー」
声ではなく、ふさふさの尻尾で返事をされる。
相変わらず冷たい対応で笑ってしまう。
ふと、一年前拾った段ボール箱を見る。
拾ったときに中に入っていたのは、雑巾のようなタオルと、拾ってくださいのメモ、そして君。
たったそれだけだった。
月明かりに照らされながら、必死に助けを求める君の姿が、今も忘れられない。
「生きててくれてありがとねぇ」
独り言に振り向いた君は、今までで一番美しく見えた。
『君を照らす月』
11/16/2025, 11:53:38 AM