水上

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「立志の年を前に、自らを振り返り目標を立てよう」

上手いのか下手なのか分からない担任の文字が黒板に並んでいる。配られたプリントには時期ごとに自らの特徴やがんばったことを書き込むための枠がいくつもある。

――正直、立志式とかどーでもいい。

思わずため息をつきそうになる。

幼稚園ではいつも、先生がみんなにひとつの本を読んでくれて、おともだちと同じ園服を来て、全員で同じ歌をうたう。教えられた同じ言葉で挨拶をして、みんなと楽しく過ごした。

小学校では授業の中で人の気持ちを考え、共感し、同じ数字と向き合い、同じ答えを導き出す。ひとつの文章から何を感じたかを書けという問では、先生に気に入られないとバツがついた。

振り返るほどおぞましい。

いつからだろう。
同じでいることが当たり前になったのは。

どうしてだろう。
違うということに不安を覚えるのは。

どこかで誰かが「当たり前のことなんて一つもない」と強く叫んでも、その言葉にネットでどれほどの人が同調しても、何年も何年も掛けて出来上がってしまったこの国の当たり前は消えてくれない。

同一化を強いる社会の恐ろしさ、滑稽さ。そこから逃れるために、今出来ることはなんだろう。

子供の頃は疑いもしなかった、たくさんのこと。

大人とも子供ともつかない宙ぶらりんな僕たちは、どうやって立ち向かえるんだろう。

――どうせなら、

ただ目標を立てるよりも、河野太郎あたりとこの国の未来の話をしてみたい。リモートでいいから。15分でいいから。

なんて、プリントに書き込んだら絶対怒られるんだろう。


〉子供の頃は 22.6.23

河野氏と若い世代のディベート、面白そうな気がするのは私だけでしょうか。

6/23/2022, 1:27:11 PM