回顧録

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『1年前』

来年のことを言うと鬼が笑うという諺があるがほんまやったなぁと思う。1年前に計画していたことはほとんど全て覆ってしまった。世間の目が変わった。在り続けると思っていたものがなくなった。1年前には想像もしていなかったことだ。

永遠なんてないというのは、以前身に染みて学んだことで。
そこから俺たちは長期スパンで物事を考えなくなった。いつ何が起こるか分からない、世間も人も。だから、1年1年を積み重ねて行こうとしていたのに。1年後すらダメなのか。
世間の荒波に揉まれて、色んな友人が去ってしまった。
気づけば年長みたいなポジションになって。

なんでよりにもよって今やねんと愚痴りたくもなるけど。
それによって得たものもあるっちゃあるから。これからトントンにしていけばいい。
いや、トントンじゃ足らんなプラスにせえへんと。

唯一変わらなかったことはアイツらがいるということ。
俺の隣にはこいつが居るということ。二つあったわ。

かつて俺たちが歌った10年後は想像していた10年後とは違うけど、俺たちは共にいる。それだけで充分だ。
きっと、それは次の10年後だって変わらない。
長期スパンで考えへん話どこいってんってなるけど
もう30年近く居るんやし、今更10年増えたところで変わらんやろと思ってる。鬼なんか勝手に笑い殺しとけ。

最後に手を繋いで笑っているのは俺たちだ。


作者の自我コーナー
いつもの。永遠なんてないけど、この2人は永遠だと思ってしまう。

6/17/2024, 3:31:06 AM