冬休み
ちんちんどんどん
ちんどんどん
俺の名はチンドン屋のドラ息子!
名は陳鈍平!
朝から晩までずっとドラム🥁テクを親父に叩き込まれて早26年間が経つ。
そう、俺は世間ではニートと呼ばれる。
ふと視線を外に向けるとガキンチョ共が楽しそうにはしゃぎまくる姿が目に映った。
親父にただお前は、太鼓を叩いてればいいんだ!
と言われろくに学校も通わせてもらえなかった。
逆らえば親父に殴られて、お袋が泣きながら俺を庇う。俺はお袋を悲しませたくない一心で無我夢中で太鼓を叩き続けた。
ちんちんどんどん
ちんどんどん
俺は親父に自分の青春も大切な時間も奪われた
冬休み、きっと学校に通っていたらとても楽しくワクワクに感じるんだろうな…
だから俺は、太鼓を激しく叩く
ガキンチョ共の耳に届くように
ガキンチョ共、聞こえるだろうか?
お前らの人生は
お前たちのものなんだ
だからせいぜい
スクールライフも
自分の人生も楽しめ
楽しんで生きていけ!
冬休み楽しめよ!
ちんちんどんどん
ちんどんどん
虚しく冬の空に
チンドン屋の楽器の音がこだまする。
ちんちんどんどん
ちんどんどん
〜冬休み〜
ー完ー
12/28/2022, 12:34:16 PM