のーとぶっく

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心模様を映し出した 空の喩えを見る度に こんなに世の中上手くないって 思ってしまうのは僕だけか

『涙を隠すみたいに 空が大雨を降らしていた』
『彼女の笑顔に似合うほど いつになく澄んだ快晴だった』

なんてなんてなんて、ね

所詮、おとぎ話に過ぎないから

神様は涙を流さないの 雨は水蒸気が空中で冷えただけ

ただの水滴 悲しみの涙じゃないから グッピーは息が出来なくて死んじゃった

雨になんかならずにずっと雨雲の中にいたら 死んじゃうこともなかったのにね

アルカリ性の雨が降って、降って、降って 体全部が火傷跡

水槽を泳ぐグッピー 最適化されたph 管理された水温 考えられた食事 たまに入ってくる新しい魚

水槽の中でただ生きる 水槽の中で生かされる
雨に濡れたら死んでしまうから 雨に濡れたら痛むから

神様は涙を流さない 雨は水蒸気が冷えただけ
水道からアルカリ性は流れない 人間が管理してるだけ

雨模様は涙じゃないし 晴れ模様は笑顔じゃなくて 曇り模様は不穏じゃない

ただ、ガラスの向こうに見える空が不思議と綺麗だから
神様って例えるだけ

水槽の中に生まれた子供は 外を見ないまま死ぬという。

『ph7.5〜8.0』———【あいまいな空】

6/14/2024, 10:26:34 AM