寝室の壁に取り付けられたセンサーが人の動きに反応して優しい暖色光を灯した。どこからか紛れ込んだ虫の死骸が月模様のように見える。その灯りを頼りにリビングへ向かい、紅茶を淹れる。椅子に座って一口飲む。優しい香りとグラニュー糖の自然な甘さが、倍速動画のような人生に思考する余裕を与えてくれた。
精神が本来の穏やかさを取り戻し、「何のために生きるのだろうか」と自問自答する。月光は何も言わず、微かな微笑みを浮かべて見守っていた。
題『moonlight』
10/5/2025, 7:45:33 PM