これは、『彼ら』へのインタビューの一部始終である。
Respondent:V
Q.彼はどんな人ですか?
「え?ああ、あいつ?いいヤツだよ。俺らん中でもダントツでデカいからよく怖がられてんだけどさぁ。あいつ、弟分多いっしょ?それだけ慕われてんだよ。静かにそこに居るだけでいい……あー、なんか大木的な?俺なんて舎弟みたいなの一人も居ないからなぁ。ま、欲しくもねーけど。」
Q2.彼に似合う「空」は?
「……真夜中の、真っ暗な空かな。うん。あいつの明るさはあの黒によく映えると思うよ。あいつさ、デカいし無口だし、おまけに仏頂面だから暗いと思うじゃん?全然なの。俺の次くらいには明るいと思ってる!そりゃ、口数は多くねぇよ?でもさぁ、なんつーか、天性の明るさ?リーダーシップ?的なのがあんの。あいつは夜がよく似合うよ。」
Respondent:J
Q.あなたにとって彼とは?
「……俺達の中でも飛び抜けてうるさいし、ナルシストだし、小せぇクセにギラギラした奴だが……まぁ、嫌いじゃねぇ。……あと、一人きりでも我を貫ける強さは尊敬してる。」
Q2.彼は何色が似合いますか?
「あー……オレンジ?ほら、夜明けとか日の入りの時の空みてぇな。……もっとギラギラしてる気もするが。案外金とか似合うんじゃねぇの?」
Noside
「お二人とも、ありがとうございました。最後にはなりますが……お互いに最後に会ったのはいつですか?」
「え〜?いつだっけなぁ。」
「……あー……」
『今年の8月半ばくらい?』
「本日は本当にありがとうございました。……ああ、帰り道は足元にお気をつけて。ええ、気温も下がってきて金木犀が散ってしまったので……少し滑るかもしれません。……それでは、お気をつけてお帰りください。ありがとうございました。」
*
そうして2人が去った後には、登り始めた太陽の陽光がいっぱいに満ちていた。
テーマ:キンモクセイ
11/5/2025, 7:46:12 AM