恋するひまんちゅ

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カーテン

「かくれんぼする人この指とーまれ!」
今日も始まる遊びの合図
まだ続く梅雨の中、聞き慣れたチャイムの音ともに、ぼくたちの時間が始まる
いつも元気な彼の合図にいつも通り皆が集まる
ぼくもあいつも気になるあの子も
「「「じゃんけん!ぽい!!!」」」
今日はぼくが鬼だ
「全員見つけてやる!、い〜ち!に〜!さ〜ん!…きゅう!じゅう!!」
「も〜い〜かい」
「「「も〜いいよ!」」」
1つの教室に何人もの友達が隠れている
一人また一人と見つけ、残るは気になるあの子だけ
突如、厚い雲と雲との間から一本の太く鋭い光が差し込んできた
一筋の光にさらされた教室、ぼくは見つけてしまった
カーテンにくるまるあの子の隠しきれない笑顔と無理矢理な静寂を
足を運ぶ
ぼくとあの子を隔てるは影を映す薄いカーテン1枚だけである
見つけてしまったものはしょうがない
さぁチャイムがなった
そこに残るのは笑顔のままのあの子とそれを讃える皆の声

7/1/2025, 8:55:50 AM