まにこ

Open App

目の奥が鈍く光っている、そう思った。
頭は熱で火照り、感覚は馬鹿みたいに過敏になっている。
「ゆめゆめ忘れるでないぞ、お主はワシのものじゃということを」
緩く突き上げられて、強制的に返事を促される。
イエスか、はい以外の選択肢は与えられていない。
頭では分かっているのに口からまろびでる言葉は正反対のもので。
「……やだね」
覆い被さる男の眼が一層紅く輝いた。

2/18/2025, 2:26:23 AM