頭の裏側の世界の質量が、目の前にある世界の質量を上回らないように生きていくのが難しいので、いつも世界のサイズがひっくり返っているような気がします。
なので、もう長い間生きているのに、脳みその表側にある世界のことがちっともよく分からず、生まれたことも死ぬことも、うまく喜んだり悲しんだりできません。
老いさらばえた猫なんかが丸くなっているのを見ると、コーヒーや紅茶にたっぷりのミルクをゆっくり注いでいくように、少しずつ夢の中や、死後の世界が混ざっていくのを感じます。とても穏やかなものです。人間もそうなのでしょうか。
寝ていても起きていても、同じようなことしか考えられない私の意識には、どれほどのミルクが混ざっているのでしょうか。
多分、体はまだまだ長持ちします。その間、私はどのくらいの質量で生きていられるのでしょう。
旅行先のほとんどをホテルで過ごすように、生まれながらに夢を見て、何度目かの特別な日を迎えます。
私の体へ、世界へ、生きながらえてくれて、ありがとうございます。
これを読む方が、今日少しでも健康でありますように。
11/9/2024, 8:04:07 PM