蓼 つづみ

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待て。焦るな。
人の群れが速すぎるだけだ。
あと百年もすれば、皆死ぬ。

名前も、声も、
昨日までの怒りも、
きょうの予定も。

君も死ぬ。
俺も死ぬ。
その順番に意味はない。

石は残るが、
石を見上げた目は残らない。

言葉は写されるが、
それを言った喉の温度は残らない。

それでも、
朝は来て、
靴は減り、
誰かはまた立ち止まる。

千年先も、それは同じだ。
生まれて、
混ざって、
消える。

だから今、
急ぐ理由はそんなに多くない。
遅れても、
間違えても、
世界の帳尻は、いつも別のところで合う。

題 1000年先も

2/3/2026, 11:16:29 AM