【夏の気配】
「ほんとあっついね…」
隣を歩く君は、襟を掴んでパタパタさせている。
汗で少しシャツが肌に張り付いている。
僕は静かに息を呑む。
『自販機あるけど、なんか飲み物買う?』
「え、あり!!何があるかな〜」
駆け足で探しに行く君を追いかける。
「ねね、これ賭けてじゃんけんしようよ」
カルピスを指差しながら君は言う。
『別に…言ったら奢ってあげるのに』
「もー違う!こういうのは勝負するからいいの」
「ほら!喉乾いたから早くしよ!」
迫力ある君の押しに
はいはい、と呆れ顔で応じるしか無かった。
けど、こういうのも悪くない。
そんな笑顔の2人のお話。
6/28/2025, 2:09:52 PM