川柳えむ

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 疲れた。あまりにも張り詰めすぎて。
 だから、「たまには」と、そう思って息を抜いてみた。
 そしたら、ダメだね。息を抜きすぎた。

「ダメでしょ!」

 博士に怒られた。

「なんで息を抜いたの。風船人間のあなたが息――空気を抜いたら動けなくなるに決まってるじゃない」

 わかってはいた。博士に作られた風船人間の、私の風船のような皮膚に詰まっているのは、空気しかないから。
「たまには」って、そう思っただけなのに。
 息抜きって難しい……。


『たまには』

3/5/2024, 10:34:47 PM