るい

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セミが鳴いている。 
蒸し暑い日。

私には友達がいた。何人も、何人も。
だけど皆んな、私を置いて、どこかに消えた。

1人。


私は皆んなに会いたかった。だから必死に会おうとした。
だけど皆んなは会いたくないというから、
私は会うのをやめた。


どうして?どうして?どうして?
どうして皆んな私を置いて、どこかへ消えたの?






、、、
そうだ、、、そうだった、、、

みんなが消えたのは私のせいだ。

夏が悪いんだ。
暑くて、五月蝿い夏が、悪いんだ。


川で遊んでいた。みんなで遊んでいた。だけど誰が溺れて、私とあの子は助けようとした。だけど2人とも、水圧によって消えてしまった。


公園で遊んでいた。皆んなで遊んでいた。だけど車が突っ込んできて、消えてしまった。

ドライブに連れていってもらった。家族皆んなで行った。
だけど相手はスマホをいじっていた。私と相手以外、みんな消えた。


夏だった。皆んなが消えたのは、夏だった。

皆んな私を責めた。私といると人が消えると。
私は私を責めた。私がいるから人が消えると。
辛かった。だから私は、皆んなが置いていっていると思い込んだ。

本当は、私が皆んなを置いていっていたのに。


夏だった。思い込みが解けたのは。

夏だった。蝉の鳴き声が五月蝿く聞こえたのは。

夏だった。踏切の音が大きく聞こえたのは。

夏だった。 私が私を殺したのは。




                      



                       夏だった。



"夏" ごめんなさい。

6/28/2023, 12:06:14 PM