Nonoka

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『春夏秋冬』

 一年前、君と出会った。

 桜の咲く頃、「初めまして」から始まったこの関係は一年で徐々に変化していった。

 苗字呼びから名前呼びになり、Instagramのやり取りからLINEのやり取りに変わり、気付けば一番多くの時間を過ごしている人になった。

 夏休みは、二人で色々な場所に出かけた。

 君はバイトがあるからと言って、周りの誰とも遊ぶ約束をしていなかった。なのに頻繁にくる「出かけよう」のLINE。自分だけが特別なんじゃないかって勘違いしそうになった。

 秋学期が始まると、君はあまり学校に来なくなった。

 バイトが忙しいからといって会えない日々。「単位落としても知らないよ」と送ったら「助けて🙏」と普段あまり使わない絵文字なんか使って。結局毎週レジュメを送ってあげた。

 冬の気配がし始めると、君とまた毎日会えるようになった。

「バイトが落ち着いたから」と言ってこれまでのお詫びでお菓子をいっぱいくれた。好きなお菓子なんていった覚えないのに、なんでわかっちゃうんだろう。

 会わない時間があったから勘違いせずにいられたのに、会ってしまったらもうダメだった。

 だから君から「ーー」告げられた時、答えはYESしかなかったんだよ。


お題【一年前】

5/8/2026, 4:12:37 PM