うどん巫女

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太陽(2023.8.6)

これは昔何かの本で読んだ話だが、太陽の絵を描く時に、日本の子どもは太陽を赤く塗りつぶすのに対し、ヨーロッパや他の多くの国々の子どもは太陽を金色や黄色で描き表すらしい。色の見え方は人によって異なる上、気象条件なども全く異なるであろう国々の間でそういった違いが生まれるのはある種当然のことではあるが、やはり私は生粋の日本人であるからして、あの慈悲深く、それでいて近づくもの全てを焼き焦がす無慈悲さを持った太陽には、畏敬を込めて真紅という色を贈りたいと思うのである。


最初から決まってた(2023.8.7)

「ごめん、別れよう」
たった八文字で、彼は私との三年間をなかったことにした。その言葉と、彼と私のツーショット写真を背景にしたメッセージ画面はあまりに対照的で、皮肉なものだった。
……いや、最初からこれは決まっていたことなのだ。彼が本当に好きなのは彼女で、密かに育ちつつあった恋心が実る前に、彼女は別の人と付き合ってしまった。その傷心の彼につけこんだのが、私だった。だから、彼女が再び身軽になった今、彼にとっての私は全くの無価値なものに成り下がったのだ。
分かってはいたけれど、それでも悔しかった。私は彼のことを本当に想っていたし、彼の隣に立ち続ける努力を欠かしたわけでもなかった。それなのに、それなのに……。
普段は飲まない強めの酒を一気に呷る。明日はきっと二日酔いで前後不覚だろう。それでいい。それがいいのだ。全て忘れてしまえ、馬鹿な私よ。
久しぶりに飲んだウイスキーは、なんだか塩辛い気がした。

8/8/2023, 5:16:33 AM